イタリア代表が魅せた芸術的ラグビー
イタリア代表がラグビー欧州 6 カ国対抗戦で見せた、サッカーのようなスルーパスとラグビーの融合プレー。

イタリア代表、サッカーの強豪国としても有名だが、ラグビーでもその“足技”がいかんなく発揮された。
20 分、SO のパオロ・ガルビシが絶妙な強さで蹴り転がしたところ、俊足 WTB アンジェ・カプオッツォが猛ダッシュしてトライゾーンでダイビングしながらトライ。地元ファンも大熱狂するプレーとなった。
サッカーで言うならばスペースに出す“スルーパス”といったところか。
敵陣 10 メートルラインと 22 メートルラインの中間あたり、イタリア代表はスクラムから右サイドに展開した。SO ガルビシは流れながら 1 回、パスダミーをしてディフェンスラインのギャップを突いてゲインすると、相手選手のタックルを受ける寸前に左足で、力加減が抜群のゴロキック。右サイドのトライゾーンぎりぎりに向けて転がした。
これに猛然と飛び込んだのが、身長 177 センチ・体重 68 キロとワールドクラスのラグビーでは小柄なカプオッツォ。
大外、ライン沿いに全力疾走すると、ボールが外に出る寸前、飛び込みながらトライゾーンでグラウンディングすることに成功した。
これ以上ないタイミング、強さでのゴロキックに、これに応える俊足とダイブ、そしてトライ。
世界ランキングでもイタリアが 10 位、ウェールズが 11 位と拮抗した力を持つライバルだけに、貴重なトライの瞬間は地元ファンが地鳴りのような歓声を送っていた。