岡部幸雄騎手引退 20 周年:JRA 通算 2943 勝を挙げた名手の足跡
名手・岡部幸雄元騎手の引退から 3 月 10 日で 20 年が経った。このタイミングで昭和から平成の競馬シーンを彩った「馬優先主義」の栄光の歴史を振り返ろう。

岡部幸雄騎手引退 20 周年:JRA 通算 2943 勝を挙げた名手の足跡
岡部元騎手は 1948 年 10 月 31 日、群馬県の出身。馬事公苑の騎手養成所を経て、1967 年 3 月に騎手デビューした。1971 年のオークスのカネヒムロで八大競走初制覇。1984 年にはシンボリルドルフでクラシック三冠を制した。全国リーディングは 1987 年と 1991 年の 2 回、関東リーディングは 11 回。当時では歴代最多、今でも武豊騎手、横山典弘騎手に次いで 3 位の JRA 通算 2943 勝を挙げた。
成績はもちろん、数字に表れない部分でも大きな功績があった。若い頃から米国を中心に、海外に積極的に遠征。「馬優先主義」に代表される考え方、そして騎乗技術を日本に持ち込んだ。また、当時の騎手は特定の厩舎に所属するのが当たり前だった中、フリーの先駆けにもなった。
引退後は調教師には転身せず、2006 年に JRA アドバイザーに就任。審判業務についての意見や助言、若手騎手に対する技術指導を行うアドバイザーを務めていた。また、沖縄の在来馬の保護活動にも尽力。76 歳となった今でも馬とのかかわりを続けている。