弥生賞・レース回顧|ファウストラーゼンの勝利を読めた背景
2025 年 3 月 9 日の中山競馬場で行われた弥生賞で、ファウストラーゼンが見事なまくりで勝利しました。この勝利を読めた背景には、前走のレース後に調教師が語った言葉がありました。

【弥生賞・レース回顧】ファウストラーゼンのVを読めた背景 前走のレース後に見せた調教師の「ひと言」
2025 年 3 月 9 日(日曜)、中山競馬場で行われたGⅡ弥生賞ディープインパクト記念(皐月賞トライアル)で、17 番人気のファウストラーゼンが見事なまくりで勝利した。松浪大樹と山河浩が、このレースを振り返ります。
松浪大樹
見事な的中だったな。聞けばホープフルSの時に◎ファウストラーゼンの手応えを得ていたんだって?
山河浩
当時は 17 番人気での激走。レース後は「よく頑張ったな」的なコメントを聞くことになるのかと思ったら、西村調教師がことのほか悔しがっていて…。それが強烈な印象として残っていたんです。「どこかで権利を取らなきゃいけない」と言っていたので、その動向をずっと気にしていたのですが、それがメンバーの揃う弥生賞でしょう?
松浪大樹
立場的には 1 勝馬。賞金を加算させるだけなら、他にもっと楽な競馬があったからな。
山河浩
はい。メンバーの揃う弥生賞を使ってきた時点で、逆にチャンスは大きいと思っていました。それだけの評価をしている馬ということですから。
松浪大樹
恥ずかしながら、俺はノーマーク。ホープフルSをフロック視していたわけではないけど、今回は魅力的な関西馬が多かったからね。特にミュージアムマイルはクラシックでも…と大きな期待をしている馬。視野が狭かったと反省しています。
山河浩
賞金を持っていることもあったのでしょうけど、今回のミュージアムマイルは中途半端な競馬になってしまいましたね。結果的にコーナーでは外を回す距離ロス。あれなら一緒に動いた走りを見たかったですし、直線では手前もなかなか替えませんでした。
松浪大樹
確かに馬場も含めて言い訳はできるレースだったと思う。でも、今回は素直にファウストラーゼンを褒めるべきだよ。1000 メートル通過地点からの 2 ハロンが 11・5―11・7 秒。この手前からスパートしているんだから、相当なスタミナだ。
山河浩
肉を切らせて骨を断つという言葉がありますけど、まさにそれでした。ホープフルS 後に「スタミナは豊富な馬だから」とも言っていたのですが…。
松浪大樹
父のモズアスコット(安田記念、フェブラリーS優勝)はもちろん、母のペイシャフェリスもマイル前後の馬。イメージがまるで違う。
山河浩
スペシャルウィークの血が騒いでいるんですかねえ(苦笑)。
松浪大樹
一応はサドラーズウェルズの 4×5 というインブリードがあるんだけど…。両親のイメージが強過ぎて、スタミナ型の刷り込みがなかなか難しいよ。
山河浩
でも、このレースぶりとラップタイムを見れば、トレーナーの見解こそが正しいと言えますね。近年にいないタイプの馬ですし、皐月賞でも似たようなことをしてくれるのであれば、スタンドも大いに沸くでしょう。
松浪大樹
馬券は完敗だけど、レースを動かしてくれる個性派の出現は個人的に大歓迎。この馬のおかげで面白い皐月賞になりそうだ。
山河浩
2着のヴィンセンシオも力は見せましたね。レコードが出る馬場だけでなく、今日のような馬場でも走った。信頼度が一気に上がった感じです。
松浪大樹
しかしながら、この森一厩舎はすごいね。クイーンCを勝ったエンブロイダリーもいるし。
山河浩
出身の堀厩舎は牡馬に強かったのですが、技術調教師の時には牝馬に強いことで知られる国枝厩舎で研修。両方のメソッドを得ているのでしょうね。これからも注目の厩舎となりそうですよ。