佐々木麟太郎の挑戦:スタンフォード大での1年目を振り返る
スタンフォード大の佐々木麟太郎が1年目のシーズンを振り返り、今後の目標を語る。

2025年5月20日、スタンフォード大学の佐々木麟太郎内野手(20)は、ACC(アトランティック・コースト・カンファレンス)トーナメントの1回戦でバージニア工科大に4―7で敗退し、1年目のシーズンを終えました。佐々木は「6番・一塁」で4打数無安打に終わり、「自分の結果どうこうじゃなくて、負けたことが一番、悔しい。チームに流れを持って来られなかった」と悔やみました。
初めてのポストシーズン。第2、第3打席はフェンス際まで打球を飛ばすも、あとひと伸びがなく、7回2死満塁ではチェンジアップで空振り三振。「あの球に手を出してしまったのは悔しい。しっかり自分の中で反省すべきだと思っています」と唇をかみました。
1年目は52試合に出場し、打率・269、7本塁打、41打点。満足いく数字ではありませんでした。打順もシーズン中に3番から6番に下がりました。高校通算140本塁打の大砲も「単打よりもロング(長打)で自分は成績を出してきたのに、シーズン中盤ごろはゴロになる打球が多かった」と長打率は・413にとどまりました。
それでも大学生活1年目に適応を続けながら、中軸打者として全試合に出場。日本の大学に比べれば、多くの公式戦を経験しました。デービッド・エスケル監督は「彼を誇りに思う。優れた選手になるのは時間の問題だ」と評価しました。
「もう過去には戻れない。自分自身がうまくなって強くなって戻って来るかが一番大事。来年はチームの先頭に立って、勝つために貢献できるように」。20歳の大砲の挑戦は、始まったばかりです。
一問一答
――シーズンを振り返って。 「時間的にはここに至るまで凄く早く感じました。今年は経験をさせていただきましたし、多く学ばせてもらいました。これからまたさらに練習、経験を積み重ねて、来年のシーズンに向けて準備していきたい」
――収穫は? 「勉強になったのは、自分がよくない状況の時にどれだけ最低限の力を出せるか。最終的に成績を振り返ると全然満足してないですけど、一番は52試合をしっかり戦い抜けたっていうのはうれしいことでした」
――後半は調子が落ちた。 「今年はゴロになる打球が凄く多かった。最後の3、4週間くらいは打球が上がり始めて、アウトになっても自分自身の打球が出てきているという感覚はあった」
――学業との両立で大変だったことは? 「両立していくというのは大変だと思いますけど、素晴らしい経験をさせてもらっている。学生でありながら野球選手としてもプレーできているってことは凄く自分の中では誇りに思っています」
日米大学野球で米国大学代表選出の可能性も
多くの米大学選手は、シーズン終了後のオフの7月中旬~8月中旬に開催される「サマーリーグ」で実戦を積み、プロのスカウトやチームへのアピールを行うケースが多い。特に全米最高峰のレベルとされる「ケープコッド・リーグ」は、木製バットを使ってプレーするため、メジャー球団のスカウトが多く視察に来る。その他に今年は7月8~13日に日本で日米大学野球が開催予定で、佐々木は米国大学代表に選ばれる可能性もある。