野球経験なしの名監督

西尾弘幸先生は、野球の経験がほとんどないにもかかわらず、東京下町の上一色中学校で軟式野球部を全国優勝に導いた名監督です。西尾先生は、中学時代に野球部に所属していたものの、その経験を「やったうちに入らない」と笑って話していました。

狭い校庭での練習

上一色中学校の校庭は、タテ50m、ヨコ70mの変形で、他の運動部との共用でした。この狭いスペースで、西尾先生は選手たちに基礎的な技術と戦術を教え、全国大会常連の強豪チームに育て上げました。

外部指導者との連携

西尾先生は、自身が野球の技術を教えられないことを認め、元プロ野球選手や大学野球の指導者を招いて選手たちを指導しました。元ヤクルト捕手の古田敦也さんや元巨人の松本匡史さんも、上一色中の練習に参加し、選手たちに貴重なアドバイスを提供しました。

全国制覇への道

2022年、上一色中学校軟式野球部は全国大会で優勝を果たしました。これは、西尾先生の指導力と選手たちの努力の賜物です。西尾先生は、選手たちに「野球を通じて人間として成長してほしい」と常に語っていました。

西尾先生の遺産

西尾弘幸先生は、2025年4月30日にすい臓ガンのため亡くなりましたが、その指導理念と選手たちへの愛情は、上一色中学校軟式野球部に受け継がれています。