トヨタの水素カローラが富士24時間レースで総合41位に輝く - 4年目の挑戦で最高の成果
トヨタの水素カローラが富士24時間レースで総合41位を獲得。4年目の挑戦で初めてノートラブル完走を果たし、脱炭素社会への大きな一歩を踏み出した。


トヨタの水素カローラが富士24時間レースで総合41位を獲得
トヨタ自動車が開発を進める水素燃焼エンジンを搭載するトヨタガズールーキーレーシング(TGRR)のGRカローラH2コンセプトが、4回目の挑戦だった富士24時間レース(静岡県、5月31日~6月1日)で468周を走り切り、総合41位でゴールを切った。今季はシリーズの開幕2戦に出場せず、複雑なシステムやクルマをじっくり仕上げてきた成果が実った。
初めてのノートラブル&ノーアクシデント
プロジェクトを率いるトヨタ自動車のガズーレーシングカンパニーの高橋智也プレジデントは「10年やってきて、一つの成果を残せたのは本当にうれしい。何よりST5クラスの真ん中まで来られたのだから」としみじみ。昨年まではトラブルや航続距離の短さなどで、レースでは蚊帳の外。それが、他車と競ってレースできるレベルまで持ち込めた。
技術革新の成果
今大会には、マイナス253度の液体水素を搭載する燃料タンク内のポンプを、レース中に交換する必要がないところまで開発。水素を充填するノズルの改良も進み、1回の給水素で最大31周を走るなど安定して周回を重ねた。
今後の展望
高橋プレジデントは「まだやるべきことはたくさんある」と襟元を正し、将来の市販化に向けてさらなる改良を推し進める決意を込めた。脱炭素社会に向けた一つの選択肢が、大きく前進した。
ドライバーの活躍
レースではモリゾウこと豊田章男トヨタ会長(40周)を筆頭に、元F1の中嶋一貴(94周)や女性ドライバーの平川真子(46周)、ベテランの小倉康弘(70周)、そして監督も兼務する石浦宏明(90周)が乗り込み、予定通りの周回数を着実にこなした。開発ドライバーを務める佐々木雅弘は最多の128周を走り、「トラブルなくクルマの性能を引き出せた。トヨタ自動車やチームの方々とワンチームでやってきた成果。未来の開発につながるレースになった」と語った。