侍ジャパン出身の西武・仲三河優太、支配下復帰へ猛アピール
侍ジャパンU-15出身の仲三河優太が、西武ライオンズでの支配下復帰を目指し、好調を維持しています。

西武ライオンズの育成選手、仲三河優太外野手が、支配下復帰に向けて猛アピールを続けています。5月29日のイースタン・リーグ・オイシックス戦では、育成選手初となるサイクル安打を達成し、4打数4安打7打点の大活躍を見せました。
仲三河は中学時代に野球日本代表「侍ジャパン」U-15で投手として活躍し、大阪桐蔭高入団時には将来のエース候補として期待されていました。しかし、1年夏から右肩痛に悩まされ、外野手に転向しました。怪我やコロナ禍も重なり、悔いが残る高校生活を送りましたが、西武が持ち前の打撃能力を評価し、2020年ドラフト7位でプロ入りを果たしました。
入団3年目の2023年は主に3軍での出場でしたが、秋の教育リーグ「みやざきフェニックス・リーグ」では3本塁打を放ち、チームの優勝に貢献しました。しかし、その直後にチームから戦力外を通告されました。
「正直『3年で戦力外か』とは思いました。でも、球団の方が決めたことだから仕方ない。『一度、3軍で鍛え直してきなさい』ということかなと思いました。育成になっても、自分のプレースタイルは変わらないし、1軍で活躍するという目標も変わらない。すぐに気持ちを切り替えました」と仲三河は語ります。
2024年は背番号が3桁になり、2軍での出場が19試合にとどまり、打率.156、2本塁打に終わりました。しかし、今年はすでに2軍で8本塁打を記録し、試合に出続けることで好調を維持しています。
「去年までは主に3軍の試合に出ていて、たまに2軍の試合に出ると、急にレベルが上がって壁を感じてしまいました。3軍と2軍では、同じスピードでも球のキレが全然違って、打ち返せなかった。今は毎日試合に出て課題に取り組めている。試合が続くことが5年目にして初めてで、疲れもあるんですけど、体と相談しながらやっています」と仲三河は語ります。
辻竜太郎2軍野手コーチからのメンタル面の指導も大きく影響しています。「データを活用して何を選択して打つのか考え、しっかり準備をして、相手より優位に立っていると思って打席に入れています」と仲三河は話します。守備の準備も欠かさないが、求められているのは打撃。自らの長所をしっかり伸ばそうと意識するようになりました。
「去年くらいから『バット1本で頑張ろう』と思うようになりました。自分の長所を伸ばしたいと思って3軍でもやってきた。中途半端にやっていたら、この世界は無理だと思う。何か1個、自分はそれがバッティングです。『それしかない』と思うんじゃなくて『それがある』と思ってやっています」と仲三河は語ります。
今季、同学年の長谷川信哉外野手、渡部聖弥外野手、山村崇嘉内野手らが1軍で活躍しています。さらに、同じ守備位置のモンテル外野手が5月7日に支配下選手契約になりましたが、焦りはありません。
「ライバル意識は持っていなくて『一緒に試合に出たい』っていう気持ちが強いです。モンテルさんが支配下になったときは嬉しかったですし、自分とはタイプが違う。7月31日まで、まだチャンスはある。支配下に復帰して1軍で、自分の与えられた打順で結果が残せるバッターになりたい。最終的にはホームラン王を取りたいです」と仲三河は語ります。
一度は戦力外を通告された23歳。西武を担う大砲になるために、もう一度必ず這い上がります。