卓球王国中国、世代交代が進む中での世界ランキング離脱
中国のトップ選手が世界ランキングから離脱する中、19 歳の林詩棟が男子シングルスの頂点に立った。中国は弱体化どころか、かえって世代交代が進み、卓球王国はさらに強さを増すことになりそうだ。

卓球王国中国、世代交代が進む中での世界ランキング離脱
卓球王国は揺るがない。11 日に国際卓球連盟(ITTF)が発表した最新の世界ランキングで、19 歳の林詩棟(中国)が男子シングルスの頂点に立った。9 日まで行われていた「シンガポールスマッシュ」で初優勝を果たした中国の新星で、19 歳での世界 1 位は史上最年少の快挙だ。
中国は昨年末、東京五輪男子シングルス金メダルの馬龍(36)、パリ五輪シングルス金メダルの樊振東(28)、女子では東京・パリ五輪 2 大会連続シングルス金メダルの陳夢(31)が世界ランキングからの離脱を発表。ITTF が運営する国際ツアー WTT の制定した大会棄権による罰則規定が主な要因とされ、その後、台湾やシンガポールの選手も後に続いた。
中国のトップ選手が姿を消せば、日本の選手がトップに躍り出るチャンス……と思いきや、そうは問屋がおろさない。世界ランク一覧を見ると、男子は 3 位までが中国、4 位に張本智和(21)が入ったものの、女子は 4 位まで全員中国勢。5 位に早田ひな(24)、6 位に張本美和(16)と続く。結局、トップ 3 は中国勢が独占し、トップ 20 まで目線を下げれば、上を目指す中国選手がウヨウヨ入っているのだ。
中国歴代の金メダリストたちが世界ランキングから消えても、林のような次世代は着々と育っているということ。馬龍ら 30 代の選手は後輩に席を譲っただけという状態で、中国は弱体化どころか、かえって世代交代が進み、卓球王国はさらに強さを増すことになりそうなのだ。
日本の選手が何度も立ち向かい、跳ね返された「中国の壁」は、新陳代謝による進化を遂げ、さらに強固なものになってきたようだ。