早田ひな・伊藤美誠ペア復活!卓球女子ダブルスの新たな化学反応
早田ひなと伊藤美誠が女子ダブルスで再結成。USスマッシュ2025での活躍と新たなケミストリーに迫る。

復活の早田ひな・伊藤美誠ペア
2025年7月、アメリカ・ラスベガスで開催された卓球のUSスマッシュ2025。日本の“2人の女王”早田ひなと伊藤美誠が女子ダブルスで再びコンビを結成し、大きな話題となりました。復調が見えてきた伊藤美誠と、ケガの影響が少しずつ解消されてきた早田ひな。黄金世代の先陣を切って早々と世界のトップへ踊り出ていた伊藤。リザーブの経験を糧にオリンピックでのメダル獲得まで漕ぎつけた早田。これまでに歩んできた道のりはお互いに平坦なものではなく、紆余曲折がありながらこの大会に辿り着きました。
卓球ダブルスの奥深さ
卓球のダブルスにおいては、単に「強い選手同士が組めば無敵」というものではありません。パートナーを生かす技術が必要です。パートナーを生かし切れば、生かし切るほど、そのダブルスは強さを見せます。現在の日本では、混合ダブルスの種目において吉村真晴がそういった面でかなりのうまさを見せています。2017年世界卓球で石川佳純と金メダルを獲得した際にも、2025年世界卓球で大藤沙月とのダブルスで銀メダルを獲得した際にも、「吉村のパートナーを生かすうまさ」はいかんなく発揮されました。
女王×女王の共闘
早田ひなと伊藤美誠のペア。もともとタッグを組んでおり、圧倒的な強さを見せてきたコンビです。ただ、ここ数年間は、それぞれが個人として切磋琢磨し、世界の頂を目指してきた2人でもあります。意地と意地。個性と個性。それがぶつかり合い、一歩間違えばうまく噛み合わない様子も連想できました。しかし、今ならどうでしょう。先にブレイクした伊藤。ついにオリンピックでのメダルを手にした早田。早田はケガがありながらも伊藤を超え、そして一時期の不振から脱出した伊藤は再び早田と肩を並べます。
USスマッシュ2025での戦い
伊藤から申し出があったという今回のダブルス結成。この2人での競い合いという気持ちは薄まり、パートナーのプレーの「強み」を生かし、「弱み」をカバーしてしまうのではないか。そんな姿を誰もが思い描き、2人の共闘のゆくえを温かく見守る中、USスマッシュの幕が開けました。1回戦はインドのチタレ・ゴルパデペア相手に圧勝。このあたりは実力の違いをはっきりと見せつけて始動します。2回戦もディアコヌ(ルーマニア)とシャオ・マニア(スペイン)のペアに快勝。勢いをつけて、最大の山場と思われた準々決勝の中国戦へ駒を進めました。
準々決勝の中国戦
相手は最強中国のお馴染み王芸迪・蒯曼のペアです。この世界ランク4位と世界ランク5位のペアを相手に、久々にコンビを結成した「今の2人」が、どんな戦いを見せるのか。世界中のファンの視線がこの一戦に注がれました。