【競馬史に刻まれた名勝負】2005年オークス シーザリオの圧巻の追い込みと福永祐一の葛藤
2005年のオークスでシーザリオが繰り広げた圧巻の追い込みと、騎手・福永祐一の葛藤を振り返る。名勝負の裏側に迫る。

2005年のオークスは、シーザリオという名牝が繰り広げた圧巻の追い込みが今も語り継がれる名勝負となった。しかし、その裏側には騎手・福永祐一の葛藤が存在した。
レースの流れ
- スタート: シーザリオはわずかに伸び上がり、遅れは「首」程度だった。しかし、この微差が後に大きく響いてくる。
- 1角: 15番手で回ったシーザリオは、エイシンテンダーのゆったりとした流れに巻き込まれる。外は横山典・ジョウノビクトリアにガードされ、福永はアリジゴクのワナにハマっていくような心境だった。
- 4角: 12番手で直線を向き、ようやく馬群がバラけ、前が空いた。粘るエイシンテンダー、エアメサイア、ディアデラノビアも伸びる中、シーザリオが外からかわしてきた。
- ゴール: 四肢をいっぱいに伸ばして外からかわすシーザリオは、同厩の僚馬・ディアデラノビアとエアメサイアを抑え込み、着差は「首」「首」という激闘を制した。
福永祐一の葛藤
福永はレース後、「誇れるような騎乗ではなかった」と語った。スタートで遅れるとまずいと思っていたが、イメージと全く違った形での勝利となった。シーザリオは基本先行して抜け出すタイプであり、イレギュラーな形でも勝ち切る能力の高さを見せつけた。
その後
シーザリオは続くアメリカンオークスも快勝し、角居勝彦師の初遠征を見事に飾った。牧場に戻ってからもエピファネイア、リオンディーズ、サートゥルナーリアといったG1馬を出し、それぞれが種牡馬となって今後の日本競馬をけん引しようとしている。
まとめ
日本競馬の発展に大きく貢献したシーザリオ。その名勝負と騎手の葛藤は、今も語り継がれるべき名牝の物語である。