フェルスタッペンの衝突事件:F1スペインGPでの厳しい処分の必要性
F1スペインGPでのフェルスタッペンの衝突事件について、元F1ドライバーのジョニー・ハーバートが厳しい見解を示す。

F1スペインGPでは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンがジョージ・ラッセル(メルセデス)との間に“体当たり”する驚きの場面があった。この事件について、元F1ドライバーのジョニー・ハーバートは非常に厳しい目を向けている。
事件の詳細
スペインGP終盤にラッセルと4番手を争ったフェルスタッペンは、コース外走行をした場面があったことで、チームがペナルティのリスクを避けるためにポジションを譲るよう指示。フェルスタッペンは不満が明らかながらもターン5で譲ろうと減速したが、その直後に加速してラッセルと衝突。結果的に10秒のタイム加算ペナルティとペナルティポイント3点が加算された。
ペナルティの影響
フェルスタッペンはペナルティポイントの累積が、これで11点になった。6月末までに1点でも加算されれば、彼は1レース欠場の処分が下される可能性がある状態だ。
ハーバートの見解
ハーバートは、ペナルティポイント累積による欠場程度で、フェルスタッペンの走りに変化は無いだろうと見ている。
「ペナルティポイントの状況を考える必要がある。1ポイント加算というのは、ごくシンプルな判断ミスから生じる可能性があるんだ」
ハーバートは、フェルスタッペンがレースのルールを自分のアドバンテージのために”曲げる”ことが可能だと考えており、「コース上で最も賢いドライバー」だと語った。しかし、ハーバートも6月に行なわれるカナダGPとオーストリアGPに向けては「考えを変える」必要があるかもしれないと警告した。
失格の必要性
ハーバートは、フェルスタッペンの考え方を変え、今回のようなコース上での動きを“根絶”するには、1レース出場停止のリスクでは不十分かもしれないと考えている。そして、スペインGPではスチュワードがフェルスタッペンを失格にして模範を示すべきだったと語った。
「マックス・フェルスタッペンはブラックフラッグ(失格)を受けるに値していたし、失格にされるべきだった」
今後の展望
ハーバートは、今回のようなレースはあってはならないモノだ。これを撲滅するためには、ペナルティをもっと厳しくすべきだと主張している。
「10秒ペナルティではダメなんだ。それでは他のレーシングインシデントなどと同じように扱うことになってしまう」
F1レースでは、スチュワードには5秒、10秒のタイムペナルティに加えてドライブスルーやストップ&ゴーのペナルティを科す権限がある。フェルスタッペンに後者のペナルティが科されていた場合、スペインGPではポイント獲得もできなかったことになる。
深刻なケースに対しては、そのレースから失格、もしくは次のレースで出場停止処分とすることも可能だ。たとえば2012年のベルギーGPでスタートでマルチクラッシュを引き起こしたロマン・グロージャンには、1レース出場停止の処分が下された。