モンゴル出身のパイオニア:旭鷲山が切り拓いた大相撲の新時代
モンゴル出身初の幕内力士・旭鷲山の活躍と、彼が大相撲界に与えた大きな影響を振り返る。

モンゴル出身力士のパイオニア
平成時代、大相撲界に新たな風を吹き込んだ旭鷲山。モンゴル出身初の幕内力士として、彼は後輩たちに道を切り拓いた。平成3年、元大関・旭國の大島親方がモンゴルで行ったオーディションで、旭鷲山は日本へと渡った。入門から4年半後の平成8年9月場所で新入幕を果たし、モンゴル出身初の幕内力士となった。
技のデパート モンゴル支店
旭鷲山は、モンゴル相撲の経験を活かし、左右の投げや無双、足技、捻り技など、多様な技を駆使した。その取り口は「技のデパート モンゴル支店」と称され、多くのファンを魅了した。平成9年1月場所では、初日から関脇・琴錦を内無双で仕留め、7日目には大関・貴ノ浪を撃破するなど、業師ぶりを発揮。9勝6敗で初の技能賞を獲得した。
決まり手の拡大に影響
平成13年1月場所から、決まり手が従来の70手から82手に拡大された背景には、旭鷲山の存在が大きかった。彼が繰り出す多様な技に、従来の決まり手を当てはめることが難しくなったためだ。平成14年5月場所では、8連勝で勝ち越しを決め、すべて違う決まり手で相手を仕留め、2度目の技能賞を獲得した。
平成を代表する力士
旭鷲山は、平成時代を代表する力士の一人として、その名を刻んだ。彼の活躍は、モンゴル出身力士の台頭を促し、大相撲界に新たな時代をもたらした。彼の多芸な技と業師ぶりは、今も多くのファンの記憶に残っている。