F1モナコGPの特別ルールに潜む問題点:サインツJr.が指摘するレース操作のリスク
2025年F1モナコGPで適用された特別ルールについて、カルロス・サインツJr.がその欠陥を指摘。ドライバーが簡単にレースを操作できるリスクについて語る。

特別ルールの問題点
2025年のF1モナコGPでは、2回のタイヤ交換が義務付けられる特別ルールが適用されました。このルールにより、チームメイトをアシストするために意図的にスロー走行する車両が見られました。カルロス・サインツJr.(ウイリアムズ)は、このルールがドライバーに簡単に順位を操作する余地を与えると批判しました。
モナコの特殊性
モナコのサーキットは追い抜きが非常に困難なため、後続のライバルに抜かれることなくブロックすることが他のサーキットよりも容易です。このため、複数回のピットストップが必要なレースにおいても、前を行くチームメイトがポジションを落とさずタイヤ交換できるよう、もうひとりのドライバーが意図的なスロー走行で後続を抑え込んでギャップを築くという作戦が機能しました。
ウイリアムズの作戦
ウイリアムズは、アレクサンダー・アルボンとサインツJr.が協力し、時にはサインツJr.が壁となってアルボンを逃し、その後ポジションを入れ替えてアルボンが蓋をしてサインツJr.のフリーストップをアシストするなど、思うままに隊列をコントロールしました。その結果、ウイリアムズはダブル入賞に成功しました。
サインツJr.の見解
サインツJr.は、この作戦が規則上の欠陥であると指摘します。「結局のところ、本来のペースよりも2〜3秒も遅く走っているんだ。これは結果的にレースを操作していることになるし、結果自体にも手を加えていることになる」と述べました。
ラッセルの行動
ウイリアムズの2台が互いに後続をコントロールしてポジションをキープしたことで、メルセデスのジョージ・ラッセルは業を煮やしてヌーベルシケインをショートカットし、ペナルティ覚悟でアルボンの前に出てタイムロスを避けようとしました。この行動に対してドライブスルーペナルティが科されました。
サインツJr.の同情
サインツJr.は、ラッセルの行動を理解し、同情する立場をとっています。「彼(ラッセル)がそうした理由は完全に理解できる。僕もやろうかと思ったくらいだ」と語りました。
過去のペナルティ
サインツJr.は、過去にはレースを操作するような行為には厳しいペナルティが科されていたことを指摘し、今回の行動がクラッシュではないものの、結果的にレースをコントロールしていることには違いないと述べました。