【大相撲名古屋場所】IGアリーナが新天地に 横綱豊昇龍らが歴史的転換点を体感「全員が燃える舞台」
大相撲名古屋場所の新会場・IGアリーナを力士会が視察。約40年ぶりの常設会場変更に横綱豊昇龍は「全員が燃える舞台」と期待、大の里は「新たな歴史を作りたい」と意気込みを語った。多目的アリーナの特性と相撲文化の融合に注目。

約40年ぶりの会場変更に力士ら熱視線
横綱・豊昇龍が天井の高さに目を見開き、大の里が手すりを叩きながら動線を確認――。2025年7月1日、十両以上の力士で構成される力士会が名古屋場所の新会場「IGアリーナ」を初視察した。1985年の両国国技館移転以来、実に40年ぶりの常設会場変更に、力士たちの表情は期待と緊張に満ちていた。
アジア最大級施設の衝撃
施設データ
- 総席数:約7,800席
- 天井高:約30m(国技館比+10m)
- 多目的仕様:バスケットコート4面分
- チケット:15日間分即日完売
「まるで宇宙ステーションのよう」(若手力士)と形容される未来型アリーナで、豊昇龍は「天井が高いから余計な圧迫感がない。観客の熱気が立体的に伝わってきそう」と分析。大の里は「砂被りしにくい空調設計」に目を留め、土俵周辺の気流を手で確かめる仕草を見せた。
伝統と革新の融合
歴史的転換点の証言
- 1958年 金山体育館(初代若乃花優勝)
- 1985年 両国国技館(千代の富士全勝)
- 2025年 IGアリーナ(新王者誕生へ)
「巡業会場のような親近感」(関取衆)との声が上がる一方、最新鋭のLED照明が土俵を照らす光景に「相撲の神聖さが増す」(年配観客)との評価も。名古屋市長への表敬訪問では、大の里が「この街で初優勝の歴史を作ります」と力強く宣言した。
新時代の相撲空間
施設比較表 | 項目 | 両国国技館 | IGアリーナ |
---|---|---|---|
観客席 | 11,000席 | 7,800席 | |
天井高 | 20m | 30m | |
音響 | 伝統的共鳴 | デジタル制御 | |
空調 | 自然換気 | 精密制御 |
若手力士からは「控え室の鏡が大きくて化粧まわしのチェックがしやすい」(三段目力士)といった実用的な声も。一方、横綱衆は「天井の高さが技の幅を広げる」(豊昇龍)と競技面への影響を分析。15日間の熱戦が、全く新しい相撲美学を生み出す可能性に期待が高まる。