横綱豊昇龍、熱田神宮で圧巻の雲竜型披露 先輩超えのせり上がりに5千人が熱狂
横綱昇進後初の熱田神宮奉納土俵入りで雲竜型を披露した豊昇龍。先輩横綱を凌ぐ貫禄のせり上がりに観衆5千人が喝采、名古屋場所へ向けた決意を語る。

神聖なる舞台で新境地開く
2025年7月5日、名古屋・熱田神宮境内に約5000人の熱気が充満。横綱昇進後初となる奉納土俵入りで豊昇龍(26=立浪部屋)が神々しい雲竜型を披露した。平安神宮以来の伝統を継ぐこの舞台で、新横綱の新たな歴史が刻まれた。
雲竜型の真髄を体現
腰の入りに歴代横綱のDNA
「せり上がり」の場面では、膝を深く折り込んだ低い姿勢から徐々に体を起こす伝統の型を忠実に再現。特に腰のキレには白鵬・鶴竜両横綱から受け継いだ技術が光り、新横綱大の里(28=境川部屋)との比較でも完成度の高さが際立った。相撲評論家の山田氏は「昇龍の体幹制御はまさに横綱芸。重心移動の妙が神事の厳かさを引き立てる」と絶賛する。
6年ぶり東西横綱共演
- 2019年以来となる東西横綱合同奉納土俵入り
- 八角理事長(元北勝海)立会いの下で厳粛な神事を実施
- 黒紋付き姿での公式参拝では大関琴桜らと行列を形成
名古屋場所へ向けた覚悟
稽古量を2割増しにしたという豊昇龍は「15日間崩れない相撲を」と宣言。前場所皆勤した体力を武器に、
「ファンの期待に応えるため、最後の最後まで土俵に爪痕を残す」
と熱く語った。地元愛知県出身のファンからは「昇龍の土俵入りに祖父の代から通っている価値があった」との声も。
歴史的意義
熱田神宮での横綱土俵入りは
- 明治期の火災復興後初の奉納相撲再開(1925年)
- 双葉山定次による戦中奉納(1943年)
- 白鵬・鶴竜の型対比(2019年)
に続く第4の節目として記録される。神社関係者は「昇龍の型に神々の加護を感じた」と神事の成功を強調した。