井上尚弥とムロジョン・アフマダリエフの友好交流と試合前の緊張感
井上尚弥とムロジョン・アフマダリエフが試合前に友好交流。伝統衣装チャパンのプレゼントで緊張感の中にも和やかなムードが広がる。

2025年9月12日、名古屋市で行われた「ボクシング・トリプル世界戦」の公式会見で、4団体統一世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(32)とWBA世界同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(30)が初対面を果たした。
井上はアフマダリエフについて、「すごくコンディションがよさそう。仕上がっているなという第一印象。明後日は(7月10日の)発表会見でも言った通り、どんな形でも、どんな内容でもしっかり勝ちにいくという気持ちで戦いたい」とコメントし、試合への意気込みを語った。
会見終了後、試合2日前とは思えない意外なシーンもあった。井上とアフマダリエフが2ショット写真の撮影を終えて元の場所に戻った後、再度中央に呼ばれた。すると、アフマダリエフから贈り物があるとアナウンスされ、井上は濃紺のウズベキスタンの伝統民族衣装「チャパン」と手土産をプレゼントされた。さらに、陣営の井上真吾トレーナー、大橋秀行会長の分も用意されており、それぞれアフマダリエフの手で羽織らせてもらった。大一番を前に臨戦態勢の井上も、この瞬間ばかりは頬を緩めて友好ムードで記念撮影を行った。
チャパンを着たまま取材に応じた大橋会長は、アフマダリエフの友好的な態度に「当初(井上に対して)すごく挑発している感じだったが、意外だった。大橋ジムに着たときも(自分に)あいさつしたいとずっと探してくれていたり、戦闘的だが紳士的。相手にとって不足はない」と驚きながらも感心していた。
プロ戦績は井上が30勝(27KO)、アフマダリエフが14勝(11KO)1敗。両者の試合は9月14日にIGアリーナで行われる予定だ。