西武・隅田知一郎、スターへの前夜
高校時代、甲子園では毎年いるようなレベルだった隅田知一郎。2024 年シーズン、初めてシーズンとおして先発ローテーションを守り切り、プレミア 12 でも活躍を見せた西武・隅田知一郎がスターとなる前夜に迫った。

高校野球で頭角を現した隅田知一郎
長崎県出身の隅田知一郎は高校時代、波佐見高校でプレー。2 年秋から主戦投手となっている。初めてそのピッチングを現地で見たのは 3 年夏に出場した甲子園の対彦根東戦だった。試合は波佐見が 1 点をリードして 9 回裏を迎えたが、隅田は 2 本のヒットと内野ゴロの間に追いつかれて降板。リリーフした投手も相手の勢いを止めることができずに、逆転サヨナラ負けを喫した。
プロ入り前の隅田知一郎
当時のノートには隅田の投球について以下のようなメモが残っている。「少し体が沈み込むフォームだが、流れがスムーズで腕の振りのよさが目立つ。ストレートはコンスタントに 130 キロ台後半をマークし、打者の手元で数字以上の勢いを感じる(この日の最速は 143 キロ)。投げ終わった後に体が少し三塁側に流れ、抜けるボールが目立つのが課題。踏み出した右足の着地の安定感がない。縦のスライダーは 110 キロ台後半だが鋭く変化し、面白いボール。チェンジアップもブレーキがある。フォームに目立った悪いクセがなく、体ができればまだまだよくなりそう」 左投手でストレートが 140 キロを超え。これだけのメモが残っているということからも好印象だった証拠だが、当時の隅田はドラフト候補として注目を集めていたわけではない。その大きな理由の一つはまだまだ体が小さかったという点だ。当時のプロフィールを見ると身長は 172㎝、体重は 66kg となっており、かなり小柄だったことがよくわかる。言ってみれば甲子園では毎年いるようなレベルの投手という存在だった。