豊昇龍、新横綱としての自覚と責任感を胸に春場所へ
大相撲春場所が 9 日に開幕。新横綱豊昇龍は重圧と責任を感じながら、史上 10 人目の新横綱優勝を狙う。

豊昇龍、新横綱としての自覚と責任感を胸に春場所へ
大相撲春場所は 9 日にエディオンアリーナ大阪で初日を迎える。豊昇龍は一人横綱の重圧がかかる中、史上 10 人目の新横綱優勝を狙う。大横綱大鵬の孫としても注目される新関脇王鵬はさらなる飛躍を期す。
「負けても休場しない」綱の重みに向き合う日々が始まった。豊昇龍は「すごく責任を感じる。ちょっと怖い」と正直な心境を吐露。言葉とは裏腹に、表情に暗さや重苦しさはうかがえず「横綱のプレッシャーを全部、体で感じてみたい」。
昇進後の行事が続き、多忙を極める中で初日に照準を合わせてきた。一時は体重も減ったが、ベストの 150 キロに戻した。空いた時間にトレーニングを欠かさず、大阪に入って初めての稽古でも動きの良さを見せ、「悪くない」と言う。
狙うのは史上 10 人目の新横綱優勝。直近では稀勢の里、照ノ富士が 2 人続けて達成している。「僕もしたいね」とにやり。一人横綱として昇進したのは玉錦、曙に続いて 3 人目。その場所で賜杯を抱けば初のケースとなる。「勉強だと思ってやっていく」と腹を決めている。
「今までの横綱のまねはせず、これが豊昇龍だというものを見せたい」と目標を掲げる。さらに「負けても休場しない」と異例の誓いを立てた。最上位の番付を過度に意識せず、等身大であり続けようとしているからこその言葉だろう。
いまだ必勝の形はなく、「形がないのが僕の形」。類いまれな身体能力を生かす取り口をさらに磨く構えだ。「自分がやらなきゃいけない」と、自覚と責任感は芽生えた。初日の土俵で持ち前の負けん気に火を付ける。