38歳佐田の海、足の力で攻め切り6勝目 大相撲夏場所9日目の熱戦
38歳の佐田の海が足の力で攻め切り、大相撲夏場所9日目で6勝目を挙げた。ベテラン力士の奮闘と相撲への情熱を紹介。

佐田の海、足の力で攻め切り6勝目
大相撲夏場所9日目、38歳の佐田の海が足の力で攻め切り、6勝目を挙げた。相手の栃大海とのもつれた土俵際の攻防で、佐田の海は前に倒れ込みながらも、軍配が相手に上がったと思った瞬間、物言いが付き、相手の左かかとが先に出ていたことが確認され、軍配差し違いに。25歳の新入幕の突き押しに対し、しぶとく下からあてがい、足の力で攻め切った。
ベテラン力士の奮闘
幕内で玉鷲に次ぐ年長者の佐田の海は、初日の11日に38歳の誕生日を迎えた。彼は「32歳くらいで感覚が止まっている。年々やることが増えて、疲れを取るための治療や休憩も考えたら1日が24時間じゃ足りない」と語る。4月の春巡業中には新たなトレーニング法を取り入れるなど、その向上心に衰えはない。
師匠の指導としこの重要性
師匠の境川親方(元小結両国)が、若い頃と同じように指導してくれることも老け込まない秘訣の一つだという。今場所前も稽古場で「しこが少ない」と、ずばり指摘された。しこの重要性は本人も認識しており、毎朝200回踏んでいたが、それ以来、300回以上に増やした。
「毎日、見てもらっているから自分が気付かないところも気付いて言ってもらえる。踏んだら感覚が良くなりましたね。きついけど動きやすくなって気持ちが良い」と佐田の海は語る。ベテランが放つ渋い光の裏には、相撲への一途な思いがある。