雨の大荒れ!ノリス母国初V、ヒュルケンベルグ239戦目で初表彰台、角田裕毅は10秒ペナで最下位…F1イギリスGPの波乱
2025年F1イギリスGPは雨の大荒れで幕を開け、ノリスが母国初優勝。ヒュルケンベルグは239戦目で初表彰台、角田裕毅は10秒ペナルティで最下位に。



2025年F1イギリスGPは、曇り空の下でスタートを迎えた。天候は回復傾向にあり、空には晴れ間も覗いていたが、レース直前まで雨が降っており、路面はセミウェットの状態。気温は18℃、路面温度は24℃、湿度は87%と、非常に不安定なコンディションとなった。
全車がインターミディエイトタイヤを装着してグリッドに整列するも、フォーメーションラップ中に6台のマシンがピットレーンへと向かい、ギャンブルとも言えるドライタイヤへの交換を敢行。そのままピットレーンスタートを選択した。
しかし、太陽が差し込み始めると走行ラインの一部は急速に乾き始め、路面はセミウェットからドライパッチが混在する極めてトリッキーな状況に変化。ドライタイヤ勢は3〜5秒も速くなりつつありチャンスにも思われたが、数周後には再び強い雨が降り出し、全車がインターミディエイトに履き替える混乱の展開となった。
この急変するコンディションにより視界は著しく悪化し、安全上の理由からセーフティカーが導入される事態となった。
レーシングブルズのアイザック・ハジャーが水しぶきで視界を失い、前を走っていたメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリに追突。ハジャーはスピンしてウォールで大きなクラッシュとなった。キミ・アントネッリは衝突の衝撃でコースアウトを喫したものの、マシンのコントロールを失うことなく、見事にリカバリーを果たしてコースへと復帰した。しかしその後ディフューザーの損傷がひどくリタイアを選択した。
マクラーレンのオスカー・ピアストリとレッドブルの角田裕毅に対してペナルティが科された。ピアストリは、セーフティカー導入中にトップを走行していた際、後続のマシンが追突しそうなほどの急減速を行ったとして、レーススチュワードは規則に書かれている「セーフティカー中の危険行為」と判断、10秒のタイムペナルティを受けた。
角田裕毅はレース中盤、ハースのオリバー・ベアマンとポジション争いを繰り広げていた際、半車身前に出たベアマンの左側に接触。これによってベアマンはコースアウトを喫した。スチュワードはこの接触について、角田が事故の主な原因と判断し、10秒のペナルティを科した。
最終的に、ノリスが母国初優勝を飾り、ヒュルケンベルグは239戦目で初表彰台を獲得。角田裕毅は10秒ペナルティで最下位に沈んだ。