【甲子園】山梨学院・菰田陽生が示した『超高校級二刀流』の覚悟 敗戦に滲む194cm大器の未来

第107回全国高校野球準決勝で山梨学院が沖縄尚学に逆転負け。2年生エース菰田陽生は右肘痛で16球降板も、打撃と守備で存在感。194cmの大型二刀流が誓う「必ず戻る」という決意を熱量ある筆致で描く。

熱闘9回の攻防が生んだ沖縄旋風

沖縄尚学5-4山梨学院のスコアボードが物語るのは、まさに高校野球の真髄。六回裏3点差を跳ね返した沖縄勢の粘りに、甲子園の歓声が沸き上がった。七回表の勝ち越し適時打を放った比嘉選手のガッツポーズが、沖縄初の決勝進出を予感させた瞬間だった。

16球の無念が育てる「二刀流の星」

山梨学院・菰田陽生投手(2年)のマウンドはわずか1イニングで幕を閉じた。最速148km/hを誇る右腕が16球で降板という異例の事態。右肘の違和感を押しての登板だったが、「指がかからなかった」と悔しさを噛みしめる。

▶注目データ
防御率0.87・今大会4試合連続先発という圧倒的数字を残しながら、決戦で散ったエースの挫折が、逆にその潜在能力の高さを物語る。

打撃で証明した真価

投手としての不本意を、打撃で見事にカバー。六回表には左中間へ鋭い二塁打を放ち、チーム4点目を演出。五回裏の守備ではファウルフライをダイビングキャッチするなど、194cmの長身を活かした守備範囲が光った。

▶歴史的記録
チームメイト・横山選手が達成した8打数連続安打は、21年ぶりの大会タイ記録。山梨学院の攻撃力の底知れなさを証明した。

吉田監督の決断と未来

「五回まで菰田でいく予定だったが...」と語る吉田監督の表情に、複雑な胸中がにじむ。代わって登板した檜垣投手の奮闘も虚しく、逆転を許した七回裏の攻防は、まさに戦力の厚さが勝敗を分けた。

次代への布石
菰田が甲子園の土を握りしめながら宣言した「絶対戻る」の言葉は、既に来夏へのカウントダウンを始めている。二刀流として更に進化した194cmの大器が、来年どのような軌跡を描くか――高校野球ファンの期待は早くも高まっている。

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