近江高校多賀監督が退任 後任に小森博之コーチ

高校野球で名門として知られる近江高校の多賀章仁監督が今月末で退任する。後任には、2001 年夏に近江が甲子園で準優勝したときの主将だった小森博之コーチが就任する。

高校野球で琵琶湖をイメージしたブルーのユニホームを全国区に押し上げた近江(滋賀)の多賀章仁(あきと)監督(65)が今月末で退任する。4 月以降は総監督としてチームをバックアップすることになっていて、後任の監督は 2001 年夏に近江が甲子園で準優勝したときの主将だった小森博之コーチ(41)。自身は「滋賀県勢初の日本一」には届かなかったが、「全国優勝は近い将来ある。そういうレベルにきている」。湖国の夢は教え子に託す。 多賀監督は 1989 年に就任。バッテリーを中心にした守りの野球を貫くスタイルで滋賀を代表するチームに鍛え上げた。甲子園には春 7 度、夏 16 度出場し、春夏 1 度ずつの準優勝を果たした。 【ひと目でわかる】近江・多賀監督の甲子園通算成績 ■シャイだった「大エース」 最も印象に残っている選手は 2021 年夏から 3 季にわたり、投打で甲子園を沸かせた山田陽翔(はると)(西武)を挙げる。「あんなに甲子園が似合う選手はいなかった。ベンチから『きょうはどんな試合をしてくれるのか』とワクワクしながら見ていた」。とくに 22 年春は補欠校からの代替出場で準優勝。山田は甲子園のスーパースターだった。 右腕は 3 季で甲子園 11 勝という抜群の成績を残しても、おごることはなかったという。礼儀正しく、普段はチームの人気者。シャイで女子に囲まれるのは苦手。多賀監督は「山田は甲子園の一塁側のブルペンは苦手でした」と笑う。高校野球ではファウルゾーンにブルペンがある。右投手の山田がセットポジションで投げる際、顔はスタンドに向く。視線の先に声援を送ったり、スマートフォンで写真を撮ったりする女性ファンがいるからだ。 そんな山田は今季でプロ 3 年目。オフには毎年、顔を出してくれるという。「1 年ごとに体がたくましくなっている。本人は『まだまだです』と話していたが、着実に力はついていると思う」と期待を寄せた。 ■まさかの「2 ランスクイズ」 印象に残っている甲子園での試合の一つに挙げたのが 18 年夏、金足農(秋田)と対戦した準々決勝。2-1 で迎えた九回裏無死満塁から、相手にまさかの「2 ランスクイズ」を決められてサヨナラ負け。2 年生バッテリーの林優樹(楽天)、有馬諒(ENEOS)がグラウンドに崩れ落ちる姿が衝撃的だった。 「球場全体が金足農を応援するムードだった。林は強いチームに向かっていく気持ちは山田以上だったが、相手の走者、打者が最高のプレーをした」。ただ、この試合で「悲劇の近江」というストーリーが生まれ、全国の人たちに校名が浸透したともいえる。

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