雨中の死闘、近大と関大が延長12回を戦う

2025年5月24日、わかさスタジアム京都で行われた関西学生野球の第7週第1日、近大と関大が激突した。試合は延長12回に及び、最終的に2-2の引き分けとなった。

関大が先制するも、近大が追いつく

関大は4回に2点を先制し、試合の主導権を握った。近大の打線は関大のエース、荒谷絋匡投手（4年＝佐賀北）に抑えられ、6回まで無安打無得点と苦戦を強いられた。しかし、8回にようやく荒谷を捉え、今秋のドラフト候補として注目される勝田成主将（4年＝関大北陽）の適時打などで同点に追いついた。

勝田成、決定的な守備でピンチを救う

試合はその後も緊迫した展開が続き、近大は9回裏2死満塁、延長11回裏1死一、三塁と何度もサヨナラ負けのピンチを背負った。しかし、勝田成が決定的な守備でピンチを救った。延長12回裏、無死二、三塁の大ピンチで、勝田は相手3番の打球を処理し、ホームに向かった三塁走者を三本間に挟まず三塁ベースまで追い込んでアウトにした。さらに、二塁走者の三進を許さず、1死一、二塁で相手4番を二塁併殺に仕留め、試合を引き分けに持ち込んだ。

勝田成の活躍に光る侍ジャパンの目

勝田成は昨年、大学日本代表に選ばれ、侍ジャパンの井端監督から「すごく野球をわかっていて好みのタイプの選手」と高く評価された。今秋のドラフト候補としての実力を存分に発揮したこの試合は、勝田の将来に大きな期待を抱かせるものとなった。

光元監督、選手たちをねぎらう

近大の光元一洋監督（50）は試合後、「勝ちたい試合ではありましたが、途中まで打てなかった状況を考えれば、よく引き分けに持ち込めた。勝ちに等しい引き分けだと思います」と選手たちをねぎらった。

この試合は、激しい優勝争いの中で重要な1戦となり、両校の選手たちが持てる力を全て出し切った大熱戦として記憶に残るものとなった。