ドジャースタジアム、ICE職員の入場拒否でヒスパニック系コミュニティを守る
ドジャースタジアムがICE職員の入場を拒否し、ヒスパニック系コミュニティを保護。パドレス戦は予定通り開催。

2025年6月19日(日本時間20日)、ドジャースタジアムを訪れた関税執行局(ICE)の職員から駐車場への立ち入り許可を求められたが、ドジャースはこれを拒否した。この日予定されているパドレス戦は予定通り行われると発表した。
ICEが6月6日(同7日)に実施した移民の一斉摘発をきっかけに、ロサンゼルスでは連日抗議活動が行われ、暴動に発展。これを受け、ロス市長は6月10日(同11日)から夜間外出禁止令を発令。17日(同18日)に解除されたばかりだった。
ICEの捜査対象の一番の狙いはメキシコからの不法移民と言われている。ドジャースタジアムの観客の最低4割はヒスパニック系とされており、また、球場で働く従業員は90%以上がヒスパニック系とも言われている。
ICEは無差別にヒスパニック系の人たちをすべてを連行し、移送先で合法滞在者か否かを調べる意向なため、仮にドジャースがICEの立ち入りを認めていたら、その対象者全てが移送され、試合どころではなくなる危機的状況となりかねなかった。トランプ米大統領による「史上最大の大量強制送還プログラム」の実施方針に従い、ICEは1日3000人の不法移民を取り締まるノルマが課せられているとされており、ドジャースタジアムで一網打尽を狙った可能性がささやかれている。こうした事態を想定し、ドジャースはICEの立ち入りを拒否するに至ったと思われる。