テニス全仏オープン2025:ムゼッティの警告判定とベッカー氏の見解
2025年全仏オープンでのムゼッティの警告判定について、元世界1位のベッカー氏がその妥当性を語る。SNS上の反応にも触れつつ、試合の詳細を解説。

2025年6月3日、テニス四大大会「全仏オープン」の男子シングルス準々決勝で、第8シードのロレンツォ・ムゼッティ(イタリア/世界ランク7位)が第15シードのフランシス・ティアフォー(米国/同16位)にセットカウント3-1で勝利し、自身初の4強入りを決めました。しかし、第2セット途中のアクシデントがSNS上で大きな話題となりました。
アクシデントの詳細
ムゼッティは第1セットを先取し、勢いに乗っていましたが、第2セット途中にボールパーソンからボールを受け取る際、足元で跳ねたボールを蹴り、それが線審の胸あたりに直撃しました。威力がなかったため線審は動じず、ムゼッティはすぐに謝罪しました。この行為に対して「スポーツマンらしからぬ行為」として警告が与えられ、試合は続行されました。
ベッカー氏の見解
元世界1位のボリス・ベッカー氏(ドイツ)は、英スポーツチャンネル『TNT Sports』の番組内でこの判定について私見を述べました。ベッカー氏は、「審判が素晴らしい仕事をした」と今回の判定を支持し、「あんなことでムゼッティを失格にはできない。警告は正当だったが、ジョコビッチの件とは比較にならない」と強調しました。さらに、「インターネットはもう少し落ち着くべきだ。誰もが聖人ぶろうとしすぎている。もっと広い視野で物事を見ようではないか。あれは警告であり、失格ではない」とSNS上のテニスファンに冷静な判断を呼びかけました。
今後の試合
ムゼッティは現地時間5日(日本時間6日)の準決勝で、第2シードのカルロス・アルカラス(同2位/スペイン)と対戦します。24年7月のウィンブルドン以来、自身2度目のグランドスラム4強入りを果たしたイタリアの23歳ですが、はたしてディフェンディングチャンピオンとの一戦では、どんなプレーが見られるか。この大一番に注目が集まっています。