【卓球】藤村友也の現役引退:日本リーグ3度優勝の「守護神」が語る第二の人生

日本リーグで3度の優勝を経験した藤村友也が現役引退。彼のキャリアと今後の人生について語る。

藤村友也の現役引退

2025年2月、全日本選手権ダブルスを最後に、藤村友也(30)が現役を引退した。日本リーグの名門・日鉄物流ブレイザーズで主将を務め、チームを何度も頂点へ導いた「守護神」が、第二の人生へと歩み出す。

キャリアの幕引き

藤村が引退を意識し始めたのは2、3年前。動きのキレが落ち、以前のように戦えないことに悩みながらも、最後までコートに立ち続けた。「優勝したかったなという思いはあるけれど、やり切ったな、という感じ」と語る表情は、晴れやかだった。

ラストマッチ

ラストマッチとなったのは、髙見真己とのペアで出場した全日本選手権のダブルス。ベスト8という結果に「自分が足を引っ張ってしまった」と反省しつつも、最後は笑顔で終えた。引退の報告を受けた家族や仲間たちは、ビデオメッセージで彼の功績を称えた。中でも小学生時代の恩師・濱田哲也監督からの言葉には、思わず胸が熱くなったという。

キャリアの軌跡

徳島県出身の藤村は、小学生時代から全国大会で活躍。中学・高校・大学と強豪を渡り歩き、愛知工業大学では全日本学生選手権準優勝。卒業後は日鉄物流に入り、チームの柱として日本リーグ、ファイナル4、全日本実業団などで優勝を重ねた。なかでも2023年の日本リーグ後期では、長年勝てなかった同期の丹羽孝希に劇的勝利。「優勝よりうれしかった」と当時を振り返る。

国際大会での挑戦

一方、国際大会では結果を残せず、「世界では戦えない」と感じたことも。「自分は日本で勝てる選手を目指した」と語る姿には、等身大のリアリストとしての覚悟がにじむ。

第二の人生

今後は会社に残り、総務の仕事を担当。卓球から離れた生活を送るが、「経験を伝えていきたいという気持ちはある」と語り、競技への愛情も忘れていない。

後輩へのメッセージ

後輩たちには「気負わず、新しい風を吹かせてほしい」とエールを送り、静かにユニフォームを脱いだ。

プロフィール

藤村友也(ふじむら・ともや) 1994年8月14日生まれ、徳島県出身。和田島クラブで卓球を始め、長森中、愛工大名電高、愛知工業大を経て、日鉄物流ブレイザーズに所属。全日本学生準優勝(2013)、全日本選手権男子複準優勝(2016)、全日本社会人男子複優勝(2018)。2025年2月、全日本選手権ダブルスを最後に現役引退。左シェーク両面裏ソフトドライブ型。

(卓球王国7月号・卓球王国PLUSより抜粋)

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