ラグビー日本代表、12年ぶりのウェールズ撃破! ラスト20分の劇的逆転の秘密とは?
ラグビー日本代表が12年ぶりにウェールズを撃破した試合の詳細と、ラスト20分の劇的逆転の要因を解説。エディー・ジョーンズHCの戦略と選手たちの奮闘に迫る。

試合前の不穏な空気
ラグビー日本代表は、欧州の強豪ウェールズを迎えてのテストマッチ2連戦の初戦に24-19で逆転勝利を収めました。この勝利は、エディー・ジョーンズHC第一次政権だった2013年以来の快挙です。酷暑の中、難しいゲームを乗り切った要因とは何だったのでしょうか?
ウェールズの戦略
ウェールズは過去最悪のテストマッチ17連敗中でしたが、質実剛健で創造性に富んだかつての王国の名残を感じさせるプレーを見せました。しかし、最後に勝ったのは2023年ワールドカップのジョージア戦であり、その後の不調が続いていました。
日本の準備
一方の日本は、昨年エディー・ジョーンズHCの復帰初年度にテストマッチで4勝7敗と苦戦を強いられていました。特に格上のチームには全敗で、内容に乏しかったことから、今回のウェールズ戦に連敗するようなことがあれば、進退問題に発展しかねない状況でした。
試合開始前の動き
ウェールズは、日本よりも早めにピッチに出て、ガンガン体を当てていました。この暑い中での強度の高いアップは、試合に入るための心拍数を上げることを想定していたようです。
対する日本は、ゆったりとしたアップで、コンタクトは最小限、動きの確認といった感じで、強度は5割程度でした。酷暑の中での慎重なアップは、結果的に賢い選択だったと言えます。
前半の展開
試合開始後、前半は退屈な展開が続きました。日本がボールを落とす場面が多く、ため息が出るようなプレーが目立ちました。主審の笛のタイミングがワンテンポ遅く、ストレス満載の「ぶつ切りラグビー」で、面白みとは程遠いものでした。
前半を終えてウェールズが19対7とリード。日本はペナルティトライを取られるなど不安な展開でしかありませんでした。
後半の劇的逆転
しかし、後半から流れは一変します。日本はラスト20分で劇的な逆転を果たし、12年ぶりのウェールズ撃破を成し遂げました。エディー・ジョーンズHCが試合前から「ラスト10分で試合を決める」と話していた通り、選手たちの奮闘が実を結んだのです。
試合後の反応
試合後の会見で、キャプテンのリーチ マイケルは「スクラムでウェールズがステップアウトしてるから、そこは見て欲しいとは話しました」と明かしました。この勝利は、日本代表にとって大きな自信となるでしょう。
(「スポーツ・インテリジェンス原論」生島淳 = 文)